OMEGA 「オメガ」 / ASIA (2010)
オリジナル・メンバーによる復活アルバム「Phoenix / フェニックス」から約2年、ドラマはまだまだ続くのでした。というか、"Phoenix"が商業的に今ひとつだったようなだけに、当時は一発限りで終わりにならなくて良かったという安堵感の方が先にあったんですけどね。
アルバムタイトルの「Omega / オメガ」については、"Alpha" (α) がファーストアルバムでなかったように"Omega" (Ω) がラストアルバムということではないとのこと。まぁ、実際、この後もアルバムを発表し続けていることから、それが嘘ではなかったことも実証されている訳ですが、それでも当時は、いや、もしかしたら・・・という思いは少なからずありましたね。
※(補足)
1. ギリシャ文字のアルファベットは「α / アルファ」で始まり「Ω / オメガ」で終わる。
2. なお、「α」は小文字で、大文字だと「Α」になります。ただ、大文字だと英語の「A」と混同してしまう場合もあるので、多くの場合アルファは小文字の方が使われているようですね。又、「Ω」は大文字で、小文字だと「ω」になります。
3. ちなみに、「アルファベット」という語は、ギリシア文字の最初の2文字「α」と「β」の読み方である「アルファ」、「ベータ」が由来。又、最初の文字「α」と、最後の文字「Ω」を並べると、最初と最後、もしくは最初から最後までということで、「全て」や「永遠」といった意味合いを持つことになるそうです。
さて、この"Omega"ですが、音作りという点では前作の"Phoenix"を継承している印象がありますが、"Phoenix"にあったような尺長の曲は無くなっています。自分としては、"End Of The World"のイントロに見られるようなスリリングで勇壮なアレンジをアルバム全体を通して展開してほしかったところですが、まぁ、この点については、捉え方も人それぞれでしょうし、個人的な好みの部分でもありますからね。
ということで、音作りに関しては、多少期待していたものとはズレている部分もあるのですが、アルバムとしてはそう悪い出来ではないと思います。ただ、アルバムの中で好きな曲を挙げれば、最初の2曲、"Finger On The Trigger"と"Through My Veins"、それに最後の2曲、"I Believe"と"I Don't Wanna Lose You Now"といったように、好みが中抜けになってしまうアルバムではあります。
なお、1曲目の"Finger On The Trigger"は、エイジアのメンバー2人のユニット「Wetton - Downes / ウェットン・ダウンズ」が2006年に発表したアルバム「Icon II - Rubicon / ルビコン」に収録されていた曲のセルフ・カヴァーです。とは言っても、私自身はリリースされて暫くは知らなかったんですけどね。でも、こうして取り上げてもらえなければ知らなかった曲だし、好きな曲なので、これは歓迎。
ただ、"Phoenix"にもあったのですが、"Listen Children"や"Light The Way"のような一昔前の日本のアイドルグループが歌っているような歌謡曲っぽい曲はやはりどうも苦手。特に"Light The Way"では、歌詞の一部が自分の耳には「一生懸命です」と日本語のように聞こえるから尚更です(笑)。それと、全体的にジェフ・ダウンズのキーボードが控えめな印象も無きにしも非ずで、この点もちょっと残念。自分としては、時代と逆行しても、やっぱり、もっと重厚でスケール感が欲しかったところ。希望としては、多少仰々しいと思えるくらいに(笑)。
▼ Asia - Finger On The Trigger
https://www.youtube.com/watch?v=wOd_f0UjZX4
ASIA - BAND MEMBERS (Listed on Back Cover)
• Geoffrey Downes (ジェフ・ダウンズ) - Keyboards
• Steve Howe (スティーヴ・ハウ) - Electric, Acoustic and Steel Guitars
• Carl Palmer (カール・パーマー) - Drums and Percussion
• John Wetton (ジョン・ウェットン) - Vocals and Bass Guitar
TRACK LIST
1. Finger On The Trigger / 2. Through My Veins / 3. Holy War / 4. Ever Yours / 5. Listen Children / 6. End Of The World / 7. Light The Way / 8. I'm Still The Same / 9. There Was A Time / 10. Drop A Stone (Japan Bonus Track) / 11. I Believe / 12. I Don't Wanna Lose You Now
1. フィンガー・オン・ザ・トリガー / 2. スルー・マイ・ヴェインズ / 3. ホーリー・ウォー / 4. エヴァー・ユアーズ / 5. リッスン、チルドレン / 6. エンド・オブ・ザ・ワールド / 7. ライト・ザ・ウェイ / 8. アイム・スティル・ザ・セイム / 9. ゼア・ワズ・ア・タイム / 10. ドロップ・ア・ストーン(日本盤ボーナストラック) / 11. アイ・ビリーヴ / 12. ドント・ワナ・ルーズ・ユー・ナウ
日本盤には、10曲目に"Drop A Stone"がボーナストラックとして収録されていますが、ヨーロッパ盤等では、8曲目に"Emily"がボーナストラックとして収録されています。
又、CDのジュエルケース(プラケース)は前作同様ちょっぴり厚めのタイプが使われています。
NOTES
日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
解説・歌詞・対訳付
Japanese edition includes:
• Bonus track exclusive to Japan (Drop A Stone)
• Jewel case slightly thicker than the regular size
• 16-page color booklet with band member photographs and lyrics in English
• Additional 16-page black & white booklet with liner notes and lyrics both in Japanese
Album: 135位 (UK)
関連記事
▶ Asia 「詠時感~時へのロマン」 (1982) / Asia
▶ Phoenix 「フェニックス」 (2008) / Asia
▶ Gravitas 「グラヴィタス~荘厳なる刻(とき)」 (2014) / Asia
▶ R.I.P. John Wetton / ASIA Official Website (2017)
▶ Symfonia - Live in Bulgaria 2013 「シンフォニア~ライヴ・イン・ブルガリア 2013」 (2017) / Asia
エイジア結成以前にジョン・ウェットンが在籍していたバンド
▶ Night After Night 「ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)」 (1979) / UK
ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズが提供した楽曲"We Move as One"を収録
▶ Eyes Of A Woman (1985) / Agnetha Fältskog [ex-Abba]
« PHOENIX 「フェニックス」 / ASIA (2008) | トップページ | UNDER THE COVERS Vol. 2 / MATTHEW SWEET AND SUSANNA HOFFS (2009) »
「音楽 (全てのカテゴリー)」カテゴリの記事
- HAMMERSMITH LIVE '83 「ハマースミス・ライヴ '83」 [VHS] / THE MICHAEL SCHENKER GROUP (1984)(2021.04.03)
- LIVE IN COLOMBIA 「ライヴ・イン・コロンビア」 [2CD] / THE ALAN PARSONS SYMPHONIC PROJECT (2016)(2021.03.03)
- 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 9/10)(2021.03.24)
- LA BOUM & LA BOUM 2 ~ 日本盤シングル3枚「愛のファンタジー / 永遠のファンタジー / 恋する瞳」 (1980 / 1982)(2021.02.12)
「音楽 (ASIA)」カテゴリの記事
- SYMFONIA - LIVE IN BULGARIA 2013 [2CD EDITION] / ASIA (2017)(2020.08.11)
- R.I.P. JOHN WETTON / ASIA OFFICIAL WEBSITE (2017)(2018.02.04)
- ALPHA 「アルファ」 / ASIA (1983)(2010.09.02)
- NIGHT AFTER NIGHT / UK (1979)(2015.09.10)
- GRAVITAS 「グラヴィタス~荘厳なる刻(とき)」 / ASIA (2014)(2015.04.04)
« PHOENIX 「フェニックス」 / ASIA (2008) | トップページ | UNDER THE COVERS Vol. 2 / MATTHEW SWEET AND SUSANNA HOFFS (2009) »
コメント