音楽 (ERIC CARMEN / RASPBERRIES)

2016年10月12日

THE ESSENTIAL 「エッセンシャル・エリック・カルメン」 / ERIC CARMEN (2014)

CDの帯:エッセンシャル・エリック・カルメン / エリック・カルメンAlbum Cover (front): The Essential / Eric Carmenこちらの「The Essential / エッセンシャル・エリック・カルメン」は、ラズベリーズ時代を含むエリック・カルメンのオールタイム・ベストで、実はコレ、リリース前から結構楽しみにしていたアルバムでもあったんですよね。

何せ、リリース前のインタビュー記事に於いてはエリック自身が「この2枚組のCDをこれまでのコンピレイションと変わらないただの"新しい編集盤"だと思うのは間違いだ」、「これまでにリリースされたリマスター盤の音質は、オリジナル音源より2パーセントほど向上している程度だったように思う。一方、今回のリマスター盤とオリジナル音源を比較すると300パーセントもすばらしいサウンドに仕上がっている」、「ここに収録されている楽曲の大半は、今回のリマスター・ヴァージョンで聴いてこそ本当に聴いたと言える」などと語っていたのですから、それはもう期待せずにはいられないですよね。しかも十数年ぶりという新曲まで収録されているのですから。

当初のインタビュー記事のタイトルには本文を含めて「エッセンシャル」というアルバム・タイトルは表記されていなくて、「オールタイム・ベスト」とだけ記されていたので、何か特別なアルバムのような印象を抱いていたことから、アルバム・タイトルが「エッセンシャル」というありふれたタイトルになると知ったときは何だか肩透かしを食らったようでちょっぴりがっかりもしたのですが、それでもエリック自身が自信満々に語っていたアルバムでもあるし、単なるコンピレーション・アルバムではないだろうという期待感は持ってましたね。

 

▼ こちらがそのインタビュー記事(ソニー・ミュージックのエリック・カルメン公式サイト)

エリック・カルメン最新インタビュー連載企画!『エッセンシャル・エリック・カルメン』を語る
http://www.sonymusic.co.jp/artist/EricCarmen/info/442071

 

実際に聴いた印象としては、「300パーセントもすばらしいサウンド」は流石にちょっとオーバーかなといった印象でしたが、それでもコンピレーション・アルバムとはいえ、こうして制作者本人が納得した形でアルバムがリリースされるのはファンにとっては嬉しいところですし、手直しをしたら随分と良くなったと制作者自身が傍目以上に感じる部分については分からなくもないです。

 

CD Case (front): The Essential / Eric Carmen   CD Case (back): The Essential / Eric Carmen   CD Case (front with Obi): The Essential / Eric Carmen

 

この"The Essential"は、45年に及ぶキャリアを総括するオールタイム・ベストということで、冒頭でも書いたように、ソロ転向前のラズベリーズ時代の楽曲も合わせて収録されているわけですが、1枚目のディスクの1曲目にはなんと、そのラズベリーズ以前に在籍していたバンド「The Cyrus Erie / サイラス・エリー」の楽曲(初CD化)も収録されているんですよね。

初CD化された曲では、他にも、これまで未発表だった1976年の"NY Bottom Line"でのライヴ音源から「Starting Over / 素晴らしき再出発」と「That's Rock 'N' Roll / すてきなロックン・ロール」の2曲の他、日本盤だと新曲を合わせて計6曲が初CD化曲として収録されています。

なお、コンピレーション・アルバム等だと短く編集されたシングルヴァージョンが収録されることも多い"All By Myself"は7分を超えるアルバム・ヴァージョンの方が収録されています。

新曲の「Brand New Year / ブランド・ニュー・イヤー」については、十数年ぶりの新曲ということで、かなり気合の入った曲だと思っていたら意外と地味で拍子抜けしたようなところもありましたが、逆に言えば、それが今のエリックの音楽スタイルであり、ヒットなど気にせず、やりたい音楽をやったという結果なのかもしれません。実際、そういった肩の力を抜いて制作されたようなリラックス感が漂った雰囲気の曲でもあります。ちなみに、エリック・カルメン本人はブックレットに記載されている自身のコメントで「過去を忘れることをテーマにした曲 - 希望について歌った曲だ」と語っています。

 

Obi Strip (back): The Essential / Eric Carmen

 

日本盤は、エリック・カルメン自選のボーナス・トラック6曲が追加収録されており、英文ブックレットに記載されている英文ライナーとエリック・カルメン本人の全曲コメント(日本盤ボーナス・トラックを除く)、それに45周年を祝して寄せられたブルース・スプリングスティーン、ポール・スタンレー(KISS)、スラッシュ、シェリー・カーリー(ランナウェイズ)、マシュー・スウィート他、数多くの著名なミュージシャンからのコメントの日本語訳が日本語ブックレットの方に掲載されています。

なお、日本盤にはオリジナル盤未収録のボーナス・トラック6曲が収録されているものの、収録時間の関係からか、オリジナル盤には収録されているラズベリーズ時代の曲である"Ecstasy"(2005年に行われたラズベリーズ再結成ツアーでのライヴ・ヴァージョン)が外されています。ただし、これはエリック・カルメン側の提案を受けての判断だったらしく、そのことについては日本語ブックレットの方に記載されています。

 

▼ 左からオリジナル英文ブックレットの表、裏、日本語ブックレットの表

Booklet (front): The Essential / Eric Carmen   Booklet (back): The Essential / Eric Carmen   Japanese Booklet (front): The Essential / Eric Carmen

 

又、日本盤のボーナス・トラックには1984年公開の大ヒット映画「Footloose / フットルース」のサウンドトラック収録曲でシングルでもヒットしたマイク・レノ(カナダのロックバンドラヴァーボーイのヴォーカル)とアン・ウィルソン(アメリカのロックバンドハートのヴォーカル)のデュエット曲「Almost Paradise (Love Theme from Footloose) / パラダイス~愛のテーマ」のセルフ・カヴァー(エリック・カルメンとフットルースの脚本家であるディーン・ビッチフォードとの共作曲)が収録されていますが、このセルフ・カヴァー曲は元々1997年に日本だけでリリースされたアルバム「Winter Dreams / 夢の面影」に収録されていた曲で、アメリカでは2000年に"I Was Born to Love You"とタイトルを変えてリリースされています。なお、この曲でエリック・カルメンとデュエットしているのはジェイニー・クルーワーです。

それと、同じく日本盤のボーナス・トラックで初CD化された「Long Live Rock & Roll / ロング・リヴ・ロックン・ロール」は、勿論、レインボーのカヴァーではなく、同名異曲のデモなんですが、実はコレ、「Make Me Lose Control / メイク・ミー・ルーズ・コントロール」の原曲なんですよね。初めて聴いたときは意表を突かれた感じでちょっぴり驚きましたが、曲自体はほぼ完成形と言ってもいいレベルのデモです。

その他にも、日本盤のボーナス・トラックには、ゲフィン時代の曲でシングルにもなった"I Wanna Hear It From Your Lips"が収録されているのですが、個人的にはこの曲だけはどうも苦手ですね。こう言っちゃ何ですが、性に合わないというか、若干気持ち悪いというか・・・。でも、何となく中毒性を秘めたような雰囲気もある曲なんで、人によっては嵌ったりするのかもしれません。

意外だったのは、'88年公開の映画「ダーティ・ダンシング」の挿入歌で、シングルとしてもヒットした「Hungry Eyes / ハングリー・アイズ」が思いのほか短時間で、しかも低予算でレコーディングされた曲だったということで、ブックレットに記載されているエリック・カルメン自身のコメントでは「5日間でレコーディングした」といったことや「予算は限られていて、レコーディング・セッションはギタリスト1人とベーシスト、あとはドラム・マシーンと僕だけで行った」語られています。

そして、日本盤の2枚目のディスクの最後には"Brand New Year"のリミックス・ヴァージョン (Alternate Mix)が収録されていますが、それほど違いは感じられない控えめなミックスといった感じ。

 

The Essential / Eric Carmen   The Essential / Eric Carmen   Obi Strip (front and back): The Essential / Eric Carmen

 

▼ Eric Carmen - Boats Against The Current (U.S. TV 1977)
https://www.youtube.com/watch?v=z8N6lCZoaLY

▼ Eric Carmen - Never Gonna Fall In Love Again (The Midnight Special TV 1976)
https://www.youtube.com/watch?v=1pyBqY2xBpM

▼ Eric Carmen - All By Myself (The Midnight Special TV 1976)
https://www.youtube.com/watch?v=KXbyztcK5Y4

▼ Eric Carmen - Change Of Heart (Japanese TV Show "Let's Go Young" in 1979)
https://www.youtube.com/watch?v=diguaFiSVF0

▼ Eric Carmen & Merry Clayton - Almost Paradise (Dirty Dancing Live In Concert 1988)
https://www.youtube.com/watch?v=F1pW6vvplmQ

 

The Essential / Eric Carmen   Booklet: The Essential / Eric Carmen

 

TRACK LIST (Japan Edition)

DISC ONE:
1. Get the Message (With Cyrus Erie) [Previously Unreleased] / 2. Go All the Way (With Raspberries) / 3. I Wanna Be with You (With Raspberries) / 4. Let's Pretend (With Raspberries) / 5. Tonight (With Raspberries) / 6. Overnight Sensation (Hit Record) (With Raspberries) / 7. Sunrise / 8. My Girl / 9. All By Myself / 10. Never Gonna Fall in Love Again / 11. Last Night / 12. Starting Over (Live 1976) [Previously Unreleased] / 13. That's Rock 'N' Roll (Live1976) [Previously Unreleased] / 14. Run Away / 15. She Did It / 16. Love Is All That Matters

1. ゲット・ザ・メッセージ(サイラス・エリー)(初CD化) / 2. ゴー・オール・ザ・ウェイ(ラズベリーズ) / 3. 明日を生きよう(ラズベリーズ) / 4. レッツ・プリテンド(ラズベリーズ) / 5. トゥナイト(ラズベリーズ) / 6. オーヴァーナイト・センセーション(ラズベリーズ) / 7. サンライズ / 8. 愛しのマイ・ガール / 9. オール・バイ・マイセルフ / 10. 恋にノー・タッチ / 11. 悲しきラスト・ナイト / 12. 素晴らしき再出発 (Live1976) (初CD化) / 13. すてきなロックン・ロール (Live1976) (初CD化) / 14. ラン・アウェイ / 15. 愛をくれたあの娘 / 16. 恋のすべて

DISC TWO:
1. Boats Against the Current / 2. Marathon Man / 3. Nowhere to Hide / 4. Change of Heart / 5. Hey Deanie / 6. Desperate Fools / 7. Someday / 8. It Hurts Too Much / 9. Foolin' Myself (Single Version) [Bonus Track for Japan] / 10. Tonight You're Mine / 11. I Wanna Hear It From Your Lips [Bonus Track for Japan] / 12. The Way We Used to Be / 13. Hungry Eyes / 14. Make Me Lose Control / 15. Brand New Year [Previously Unreleased] / 16. The Rock Stops Here [Bonus Track for Japan] [Previously Unreleased] / 17. Almost Paradise (Winter Dreams Version) [Bonus Track for Japan] / 18. Long Live Rock & Roll (Demo) Bonus Track for Japan] [Previously Unreleased] / 19. Brand New Year (Alternate Mix) [Bonus Track for Japan] [Previously Unreleased]

1. 雄々しき翼 / 2. マラソン・マン / 3. つらい別れ / 4. チェンジ・オブ・ハート / 5. ヘイ・ディニー / 6. デスペレート・フールズ / 7. サムデイ / 8. 悲しみTOO MUCH / 9. フーリン・マイセルフ (single version)(日本のみのボーナストラック) / 10. トゥナイト・ユア・マイン / 11. 噂の女(日本のみのボーナストラック) / 12. あの頃の僕達 / 13. ハングリー・アイズ(88年映画「ダーティ・ダンシング」挿入歌) / 14. メイク・ミー・ルーズ・コントロール / 15. ブランド・ニュー・イヤー(新曲)(初CD化) / 16. ザ・ロック・ストップス・ヒア(86年レア・シングル)(日本のみのボーナストラック)(初CD化) / 17. パラダイス~愛のテーマ (Winter Dreams Version) (日本のみのボーナストラック) / 18. ロング・リヴ・ロックン・ロール (Demo) (日本のみのボーナストラック)(初CD化) / 19. ブランド・ニュー・イヤー (Alternate Mix) (日本のみのボーナストラック)(初CD化)

 

NOTES

• Blu-spec CD2
• 最新リマスター
• 日本盤ボーナストラック6曲収録
• 解説・歌詞・対訳付(英文ライナー及び、エリック・カルメン自身の曲解説と、著名ミュージシャンから寄せられたコメントの対訳付き)

 

 

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2014年12月11日

THE BEST OF ERIC CARMEN / ERIC CARMEN (1988)

CDの帯:オール・バイ・マイセルフ~ベスト・オブ・エリック・カルメン / エリック・カルメンAlbum Cover (front): The Best Of Eric Carmen / Eric Carmenエリック・カルメン初のベスト・アルバムであると同時に、私が初めて買ったエリック・カルメンのアルバムがこの「The Best Of Eric Carmen / オール・バイ・マイセルフ~ベスト・オブ・エリック・カルメン」だったんですよね。ただし、自分が購入したこちらのCDは1991年の再発盤なので、このアルバムに新曲として収録されていた"Make Me Lose Control"がシングルとしてもリリースされ、米3位のヒットを記録したということも、後から知ったことでした。

このアルバムを買うまでは、収録曲の中で知っている曲といえば、「All By Myself / オール・バイ・マイセルフ」と、オリヴィア・ニュートン・ジョンのカヴァーの方で先に知っていた「Boats Against The Current / 雄々しき翼」の2曲だけだったのですが、実際に聴いてみると、これ以外にも聞き覚えのある曲が何曲かあったことを覚えています。

ということで、映画「ダーティ・ダンシング」(1987年)の挿入歌で、米4位のヒットを記録した「Hungry Eyes / ハングリー・アイズ」をエリック・カルメンが歌っていたことも、恥ずかしながら、このアルバムで初めて知りました(笑)。

その他では、「Change Of Heart / チェンジ・オブ・ハート」、「She Did It / 愛をくれたあの娘」、「It Hurts Too Much / 悲しみTOO MUCH」といった曲が、先に述べた聞き覚えのある曲だったわけですが、恐らくはラジオのヒットチャート番組で耳にしていたと思うので、日本でもそこそこヒットした曲だったのではないでしょうかね。

 

Album Cover (back): The Best Of Eric Carmen / Eric Carmen又、「That's Rock 'N Roll / すてきなロックン・ロール」は、'70年代後半にティーンのアイドルとして人気を博していた"Shaun Cassidy"(ショーン・キャシディ)がカヴァーして、米3位(1977年)のヒットを記録しています。そして、同年にエリック・カルメンが、同じく"Shaun Cassidy"に提供した「Hey Deanie / ヘイ・ディニー」(1977年)も前作に続き"米7位のヒットを記録していますが、こちらは翌年の1978年にリリースされたエリック・カルメンのアルバム「Change of Heart / チェンジ・オブ・ハート」にリメイクというかセルフカヴァーのような形で収録されています。まぁ、この2曲がこのアルバムに収録されているのは、そういった形でヒットしたという理由があってのことではないかと思います。

CD Case (inside): The Best Of Eric Carmen / Eric Carmenアルバムを買った当時は「Never Gonna Fall in Love Again / 恋にノータッチ」に惹かれて、恐らくは、このアルバムの中では一番多く聴いていた曲ではなかったのかと思います。又、今でも自分の中では、エリック・カルメンといえば、"All By Myself"、"Never Gonna Fall in Love Again" 、"Boats Against The Current"の3曲が特に好きな曲ですね。

なお、ファンの方はご存知だと思いますが、"All By Myself"は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をモチーフに作られた曲で、"Never Gonna Fall in Love Again"は、ラフマニノフの交響曲第2番をモチーフにして作られた曲です。

 

▼ アメリカのテレビ番組"The Midnight Special"に出演時のもの

Eric Carmen - All By MySelf (The Midnight Special 1976)

https://www.youtube.com/watch?v=KXbyztcK5Y4

 

▼ 同じくアメリカのテレビ番組"The Midnight Special"から

Eric Carmen - Never Gonna Fall In Love Again (The Midnight Special 1976)

https://www.youtube.com/watch?v=1pyBqY2xBpM

 

TRACK LIST
1. All By Myself / 2. Never Gonna Fall In Love Again / 3. That's Rock 'N Roll / 4. Hey Deanie / 5. Hungry Eyes / 6. Make Me Lose Control / 7. Change Of Heart / 8. She Did It / 9. It Hurts Too Much / 10. No Hard Feelings / 11. Boats Against The Current

1. オール・バイ・マイセルフ / 2. 恋にノー・タッチ / 3. すてきなロックン・ロール / 4. ヘイ・ディニー / 5. ハングリー・アイズ / 6. メイク・ミー・ルーズ・コントロール / 7. チェンジ・オブ・ハート / 8. 愛をくれたあの娘 / 9. 悲しみTOO MUCH / 10. ノー・ハード・フィーリングス / 11. 雄々しき翼

NOTES
• The Best of Eric Carmen (US 59位 - 1988)

• Singles Chart Positions:
All By Myself (US 2位 - 1976) / Never Gonna Fall in Love Again (US 11位 - 1976) / She Did It (US 23位 - 1977) / Boats Against the Current (US 88位 - 1978) / Change of Heart (US 19位 - 1978) / It Hurts Too Much (US 75位 - 1980) / Hungry Eyes (US 4位 - 1987) / Make Me Lose Control (US 3位 - 1988)

• CD発売日:1991年8月21日
• 解説・歌詞付(対訳無し)

 

 

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2014年12月 4日

RASPBERRIES' BEST - FEATURING ERIC CARMEN (1976) & THE VERY BEST OF RASPBERRIES (2006) / RASPBERRIES

CDの帯:ラズベリーズ ベスト~フィーチャリング・エリック・カルメン / ラズベリーズAlbum Cover (front): Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries   Album Cover (back): Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries   CD: Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries

Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen (1976)

これは、グループ解散後にリリースされたラズベリーズ初のベスト・アルバム。リリースされた背景としては、ソロ活動を始めたエリック・カルメンの最初のシングルである"All By Myself"が大ヒットしたことが要因としてあるであろうことは、アルバム・タイトルに加えられた"Featuring Eric Carmen"のサブタイトルを見ても容易に察しがつくのですが、それでも、総括という意味に於いても、良いタイミングでリリースされた意義のあるアルバムであったのではないかと思います。

ということで、ややもすると、一見、"All By Myself"のヒットにあやかった安易なベスト・アルバムのように受け取ってしまいがちですが、実はコレ、けっこう良い仕事がなされたベスト・アルバムなんですよね。

アナログ・レコード盤の時代にリリースされたアルバムということもあり、収録曲は全10曲という構成ですが、4枚のスタジオ・アルバムからバランスよく選曲されおり、曲順も良く考えれている印象。レコード盤だとA面とB面のラストをドラマティックな曲で締める構成も流れ的にも良い感じで、寄せ集めながらも、ひとつのアルバムといった雰囲気を醸し出しているのです。

又、パワー・ポップ(ハード・ポップ)ともいえるような勢いのある最初の4曲は間髪入れずに立て続けに曲が始まるなど、曲間の間の取り方も工夫されており、こういった部分も、このアルバムを単なるベスト・アルバム以上のモノにしている要因のひとつではないかと感じます。在籍したメンバーの顔が全て揃ったジャケットも含めて、そういった愛情が感じられる仕事ぶりが垣間見れるのはファンにとっても嬉しいところではないでしょうか。

それに、"Featuring Eric Carmen"のサブタイトルも伊達ではなく、アルバムの内容もエリック・カルメンの作品だけ(一部メンバーとの競作有り)に絞った構成になっているのも特徴。ただし、エリック・カルメンがグループのメイン・コンポーザーだったこともあり、結果的には収録曲のどれもがラズベリーズの代表曲といえるものばかりになっているのがミソ。

なお、ジャケットの表と裏にはラズベリーズの生い立ち等が書かれた記事が所狭しと雑誌風にデザインされて掲載されているのですが、流石にLPサイズからCDサイズに縮小された文字だと小さくて読めないですね。ただし、この手持ちのCDには四つ折りの歌詞カードを広げたサイズでジャケットの表と裏がプリントされおり、読みやすい配慮がなされています。まぁ、私自身はそういう配慮がなされていも内容を全て理解するには至らないわけですが、英語が得意な人は、より一層楽しめるのではないでしょうか。それと、ライナーノーツはレコード盤でリリースされた当時のものも記載されているので、当時の状況が垣間見れると共に、その当時の雰囲気が楽しめます。

私自身はこのCDが初めて買ったラズベリーズのアルバムだったので、完全に後追いという形でしたが、ポップでメロディックながらも、割れんばかりのラウドなサウンドとグラム・ロック的な雰囲気を兼ね備えた甘味と苦味が混じるサウンドはけっこうツボでした。それに、コーラス・ハーモニーのパートが多いので親しみやすかったですし、アメリカのバンドなのに、何処となくブリティッシュぽいところも気に入った部分でしたね。

 

▼ The Raspberries - Don't want to say goodbye - 1972

http://www.youtube.com/watch?v=WJsf1Yp5blw

 

▼ I Can Remember - Raspberries Live - Eric Carmen, 1973 (Live)

http://www.youtube.com/watch?v=DxhNkNNaHyc

 

RASPBERRIES - BAND MEMBERS
• Eric Carmen - Rhythm Guitar, Piano, Vocals
• Wally Bryson - Lead Guitar, Vocals
• Dave Smalley - Bass, Vocals (1st-3rd)
• Jim Bonfanti - Drums, Vocals (1st-3rd)
• Scott McCarl - Bass, Vocals (4th)
• Michael McBride - Drums, Vocals (4th)

 

TRACK LIST
1. Go All the Way / 2. Tonight / 3. Ecstasy / 4. I Wanna Be With You / 5. I Can Remember / 6. Overnight Sensation (Hit Record) / 7. Let's Pretend / 8. Drivin' Around / 9. Starting Over / 10. Don't Want to Say Goodbye

1. ゴー・オール・ザ・ウェイ / 2. トゥナイト / 3. 君に首ったけ / 4. 明日を生きよう / 5. アイ・キャン・リメンバー / 6. オーヴァーナイト・センセーション / 7. レッツ・プリテンド / 8. ドライヴィン・アラウンド / 9. スターティング・オーヴァー / 10. さよならは言わないで

NOTES
• Tracks 1, 5, 10: from "Raspberries" (1972) / US 51位
• Tracks 4, 7, 8: from "Fresh Raspberries" (1972) / US 36位
• Tracks 2, 3: from "Side 3" (1973) / US 128位
• Tracks 6, 9: from "Starting Over" (1974) / US 143位

• Raspberries' Best Featuring Eric Carmen (1976) - US 138位

• 解説・歌詞付(対訳無し)

 


 

CDの帯:ベスト・オブ・ラズベリーズ / ラズベリーズAlbum Cover (front): The Very Best Of Raspberries / Raspberries   CD Case (back cover): The Very Best Of Raspberries / Raspberries   CD: The Very Best Of Raspberries / Raspberries

The Very Best Of Raspberries (2006)

そして、こちらがその後に買ったラズベリーズのベスト・アルバム。3年にも満たない短い活動期間(制作されたアルバムは4枚)だったということもあり、残された曲の総数自体が少なく、前述のベスト・アルバムと被る曲も多いのですが、曲数は倍の20曲が収録されています。

しかも24ビット・デジタル・リマスター音源で、価格も安いですから、私自身は被る曲が多くても別に気になりませんでしたね。シングルカットされた代表曲を前半に集めて、アルバム収録曲を後半に持ってくるという構成も、取っ付き易くて良いんじゃないかと思います。

それに、エリック・カルメンの作品に絞って選曲された"Raspberries' Best Featuring Eric Carmen"と違い、こちらは他のメンバーの作品及びヴォーカル曲が収録されているという点に於いても多少趣が違いますからね。"Raspberries' Best Featuring Eric Carmen"に収録されていない曲の中では"Let's Pretend"に通じるメロディーラインを持った"Nobody Knows"と"Wally Bryson"がリードヴォーカルをとる"Come Around And See Me"が個人的にはけっこう好きです。

ただ、個人的な好みを言ったらキリが無いのは分かっているのですが、"I Can Remember"は入れて欲しかったところ。まぁ、恐らくは、約8分と長い曲なんで外されたのだとは思うのですが。

ラズベリーズというバンドに関しては、活動を続けていれば、その後も魅力的な曲を数多く生み出していたのではないかと思ったりもしますが、反面、短い活動期間という、その儚さのような部分も、今となっては魅力のひとつになっているのかもしれません。

なお、1987年にリリースされた"Overnight Sensation - The Best of the Raspberries"や、 2002年リリースの"The Very Best of the Raspberries - Overnight Sensation"とは収録曲もジャケットも違う別物です。まぁ、アルバムタイトルがきちんとフルで記載されていれば直ぐに分かるのですが、「Overnight Sensation」の部分が抜けていると紛らわしくはあります。特に後者の場合だと、この"The Very Best of Raspberries"とは「the」が入っているか入っていないかの違いだけになりますからね。

 

▼ Raspberries - Go All The Way (Live)

http://www.youtube.com/watch?v=7wT_NpsYdes

 

▼ Raspberries - Let's Pretend

http://www.youtube.com/watch?v=vTELLAzVtxg

 

TRACK LIST
1. Go All The Way / 2. Don't Want To Say Goodbye / 3. I Wanna Be With You / 4. Let's Pretend / 5. Tonigh / 6. Ecstasy / 7. Overnight Sensation (Hit Record) / 8. Party's Over / 9. Come Around And See Me / 10. Rock And Roll Mama / 11. With You In My Life / 12. Goin' Nowhere Tonight / 13. Nobody Knows / 14. Might as Well / 15. On the beach / 16. I'm a Rocker / 17. Last Dance / 18. Cruisin' Music / 19. Hands on You / 20. Starting Over

1. ゴー・オール・ザ・ウェイ / 2. さよならは言わないで / 3. 明日を生きよう / 4. レッツ・プリテンド / 5. トゥナイト / 6. 君に首ったけ(エクスタシー) / 7. オーバーナイト・センセーション / 8. パーティーの終りに / 9. カム・アラウンド・アンド・シー・ミー / 10. ロック・アンド・ロール・ママ / 11. ウィズ・ユー・イン・マイ・ライフ / 12. ゴーイング・ノーホエア・トゥナイト / 13. ノーバディ・ノウズ / 14. マイト・アズ・ウェル / 15. オン・ザ・ビーチ / 16. アイム・ア・ロッカー / 17. ラスト・ダンス / 18. クルージング・ミュージック / 19. ハンズ・オン・ユー / 20. 素晴らしき再出発

NOTES
• Singles Chart Positions:
1. Go All the Way (US 5位 - 1972) / 2. Don't Want to Say Goodbye (US 86位 - 1972) / 3. I Wanna Be With You (US 16位 - 1972) / 4. Let's Pretend (US 35位 - 1973) / 5. Tonight (US 69位 - 1973) / 6. Ecstasy (US 100位以下、もしくはチャートインせず - 1973) / 7. Overnight Sensation (Hit Record) (US 18位 - 1974) / 16. I'm a Rocker (US 94位 - 1973) / 18. Cruisin' Music (US 100位以下、もしくはチャートインせず - 1975)

• 解説・歌詞・対訳付

 

 

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